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12. 2.9>vol.01『Flusso bianco della neve』を執筆しました。
- BMS COLUMN -
vol.01『Flusso bianco della neve』
VIDEO
Music:Yamajet(www.yamajet.com ) / Movie:140(ピジラボ )
◆ある朝のこと
カーテンの隙間を縫って窓から差し込む朝日。未だ薄暗い部屋に注ぐ一筋の光が、意識を呼び起こす。
毛布の暖かさに後ろ髪をひかれつつも体を起こし、眠い目をこすりながらカーテンを開け放つ。
瞬間。虚ろだった意識が、覚醒した。
窓の外、目の前に広がっていたのは、日の光を浴びてキラキラと輝く、一面の銀世界だった。
暖かな光と、涼やかな雪。今日は、良いことが起こりそうな気がする。期待が膨らむ、一日のはじまり。
一日の心地良い目覚めを告げるのは、こんな曲かもしれません。
◆Yamajet氏の代表作
『Flusso bianco della neve』は、Yamajet氏が2002年に公開した作品です。
イタリア語で「白雪の流動」の意であるタイトル通り、美しい銀世界を思わせる爽快感あふれる楽曲。
『mints』や『(^^)』と並び、Yamajet氏の初期の代表曲のひとつと言えるでしょう。
◆フレーズひとつで
本楽曲と言えば、イントロからアウトロに至るまで、幾度となく繰り返される印象的なエレピのフレーズ。
ほんわかとした音色は、雪化粧の中で赤く染まった頬のような、やわらかな暖かさを感じさせます。
このひとつのフレーズが、1分46秒という時間をグイグイと引っ張っていくのです。
これは、フレーズそのものに相応の「力」が備わっていなければできない芸当ではないでしょうか。
また、聞き逃してはならないのが、強く主張するベース。エレピ同様、ほぼ同じフレーズの繰り返しです。
淡々としたものではなく、うよんうよんと軽快なリズムを刻んで鳴り響くため、実に心地良いのです。
楽曲全編を通してベースが歌っているおかげで、疾走感あふれるグルーヴが生まれているのでしょう。
ひとつのフレーズを大切にし、活かす。シンプルな構成だからこそ、この曲は映えるのです。
◆クールかつウォーム
140氏によるBGAは、白と青を基調とした清涼感たっぷりの仕上がりとなっています。
CGアニメーションをメインに、実写の雪景色をエッセンスとして交えることで、開放的な雰囲気を演出。
クールでありながら暖かいという、本楽曲の持つ世界観を丁寧に表現した名BGAと言えるでしょう。
(^^)He is sugoi.
◆心地良い打鍵感
譜面は初出時に5K(☆4・☆8)、7K(☆6)が、後のアップデート時に7K(☆3)、14K(☆3・☆7)が追加。
聞かせどころのひとつであるエレピのフレーズをメインに、ドラムを絡めるシーケンスが主となります。
後半はフルートのメロディが彩りを加えていきます。7K☆3と14K☆3では、メロディを変化させて易化。
メロディとリズムの混合フレーズを捌くことがクリアへの近道です。BPMは早くないので落ち着きが肝心。
また、全譜面において、スクラッチオブジェは1つもありません。鍵盤にのみ集中しましょう。
◆系譜
氏曰く「シーケンサーいじってたらできてた曲」とのこと。本楽曲は、後に様々な楽曲を生みます。
自身によるヴォーカルアレンジ『Flusso bianco della neve (Re-construction feat. moham)』
セルフリミックスのはずがどうしてこうなった、なローファイサウンド『supersoulsimulator』
ねこみみ魔法使い氏によるお家芸シャッフルステップリミックス『ぱれっと』
原曲と『ぱれっと』はPMSパッケージ「Colorful Canvas」及び「Colorful Channel」にも収録されています。
本楽曲に興味を持たれた方は、これらの関連作もチェックしてみてはいかがでしょうか。
(執筆:2012年2月9日)