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12. 8.4>vol.06『Luvin' You "C&C mix"』を執筆しました。
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- BMS COLUMN - |
vol.06『Luvin' You "C&C mix"』
Music:cranky(Rave-SLave) / Movie:ers(Snowdrift of a wind)
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◆本能が求めている
一歩足を踏み入れれば、そこは現実から切り離された世界。
大音量で鳴り響く音楽。煌びやかに瞬く照明。めまぐるしく動く映像。否応なく湧き上がる空気。
体が疼く。心が叫ぶ。
ハンドバッグを投げ出して。ハイヒールを脱ぎ捨てて。アクセサリーも取り去って。
体の流れるままに。心の赴くままに。あとは、身を任せるだけ。
「踊れ!」
◆ハイテンションでブチアガれ!
『Luvin' You "C&C mix"』は、cranky氏が2002年に公開した作品です。
cranky氏と言えば、BMS界で知らぬ者はいない大御所であり、今も意欲的に活動を続けています。
本作は、氏が得意とするレイヴサウンドの色濃い、全開で突き抜けたアッパーチューンです。
◆クラシックとポピュラーの共通点
本作をレイヴパーティーで回すならば1曲目であり、CDアルバムならば1トラック目となるでしょう。
事実、cranky、Morrigan両氏によるCD「Feline Groove」では、本作が1トラック目を務めました。
これほどまでに人の心を引き付ける強烈なパワーは、どこから生まれているのでしょうか。
その秘密を解くカギは、本作が「単なるレイヴトラックに留まらない」という点にあります。
クラシカルな音色・メロディーとのクロスオーバーがその所以です。
かつて、音楽と言えばクラシック音楽のことを指しました。
ルネサンス、バロック、ロマン、古典、新古典……数多の作曲家が時代を造り上げました。
中世ヨーロッパを軸に生み出された数々の音楽は、現代においても多くの人を魅了し続けています。
その点に置いては、クラシック音楽はレイヴサウンドと言えるのです。……少々強引ではありますが。
こうしたクラシック音楽の要素とポピュラー音楽のクロスオーバーは、極めて自然な流れでしょう。
荘厳さと過激さという、双方のアプローチこそ異なるものの、音楽の持つ力という意味は同義。
クラシックとポピュラーの織りなすマーブル模様が、あなたを狂乱の世界へとトリップさせるのです。
◆熱く激しく湧き上がる
BGAは、ers氏によるもの。cranky氏のBGAを数多く担当しており、本作はers氏の代表作のひとつ。
レイヴパーティーのほとばしるパッションを再現し、グイグイと引っ張っていく勢いがあります。
なによりもパワフルなのは、踊り叫ぶ女性たち。楽曲のボイスとのマッチングは、絶妙の一言です。
楽曲同様、クラシカルな要素も織り込まれているのは、見逃せないポイントと言えるでしょう。
◆リズムに乗って、叩け!叩け!
譜面は7K(☆6)の1つ。ですが、本作にはランダム譜面の仕掛けがあるので、実質2譜面。
20分の1の確率で、「P.A.L. mix」と題した別アレンジ譜面が姿を現します。
「C&C mix」では縦連打の、「P.A.L. mix」では乱打の処理がクリアのためのキーポイントとなります。
「C&C」「P.A.L.」ともに、ノリノリで気持ち良く演奏できる整った譜面で、やり込み甲斐があります。
◆今も昔も変わらぬ姿勢
cranky氏と言えばレイヴ。「Luvin' You "C&C mix"」の他にも、数々の作品があります。
氏の作品の中で最も有名と思われる、BMS界を代表する名曲『Party 4U』
pico氏とのユニット「bubbles(現・VILA)」名義でのクラシカルレイヴ『F』
BOF2009において、ers氏とのタッグで久々のBMS発表となったカムバック作品『JULIAN』
BMS黎明期から現在までBMSシーンを牽引する姿は、氏の作品の方向性と重なるものがあります。
今後も更なる活躍を楽しみにしたいものです。
(執筆:2012年8月4日)
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