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12. 10.13>vol.07『FELYS』を執筆しました。
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- BMS COLUMN - |
vol.07『FELYS』
Music:onoken(axsword) / Movie:Ta-k(stalactitei)
DATA DOWNLOAD → [>:BMS(Internet Archive) [>:BGA(Internet Archive)
◆時空ギャラリー
過去、現在、未来。脈々と流れ、広がる時空の世界。
そこでは、キラキラと輝く数多の閃光と共に、色とりどりに浮かび上がる情景が交差する。
果てなく続く四次元のフィールドでは、過去も現在も未来も、全てが平行に並ぶ。
時の流れにふわりと身を預ければ、時空の世界は情景のギャラリーへと姿を変える。
目まぐるしく移り変わる世界をめぐり、たどり着いたのは、いつか見た景色。
いつまでも変わらない、美しく、優しい景色。
◆onokenサウンドの源流
『FELYS』は、onoken氏が2002年に公開した作品です。
本作は、「Ax」や「felys」といった別名義でも知られる氏のサウンドの源流とも言うべき代表作。
ドラマティックかつハイスケールな展開が涙腺を刺激する、神聖系ドラムンベースとなっています。
◆本能が感じ取る「美」
美しい。ファーストインプレッションで、そう感じた方も多いのではないかと思われます。
本作には美学、さらには哲学すら感じさせるインテリジェンスな世界があるのです。
「美しさ」と言うと、主に関連するのは視覚情報でしょう。絵画や彫刻などがその代表例です。
しかし、本作は「音楽」である以上、「美しさ」の情報源は五感のうち聴覚にしかありません。
にもかかわらず、楽曲から美を感じるのは、一体何故なのでしょうか。
答えのひとつには、音色への徹底的なこだわりが挙げられます。
メロディや展開の巧みさは言うに及ばず、音色のひとつひとつにも注目しなければなりません。
一聴すると、ピアノ・ストリングス・シンセリードなどの音色が織り交ぜられていることがわかります。
それら一音一音に、細やかなベロシティや深いリバーブ、大胆なパンなどの個性があるのです。
音色から「音の息吹」を感じられるのが、本作の最大の特徴と言って過言ではないでしょう。
「音の息吹」がパズルのように組み上げられることで、「FELYS」という楽曲は生を受けるのです。
このことから、本作の持つ「美」とは、即ち「創生の美」と言えるのではないでしょうか。
生きとし生ける者の根幹に訴えかけているからこそ、本能が「美」を本作から感じ取るのです。
◆視覚を超越する
BGAはTa-k氏が制作。onoken氏とのタッグ作品も多いTa-k氏。現在も第一線で活躍しています。
メインの柱となる、ブルーを基調としたサイバーで幾何学的なアニメーションは圧巻です。
対して、中盤及び終盤に挿入される空のイメージからは、有機的な暖かさ、優しさを覚えます。
楽曲同様、シーンごとに息吹を感じるBGA。視覚での「美」に留まらない美しさが、ここにあります。
◆刻めブレイクビーツ
譜面は5K(☆5)と7K(☆5)の計2つ。どちらも表記難易度よりも1〜2ほど難しめなので要注意。
中盤に低速地帯がありますが、譜面は複雑ではないので落ち着いて処理することが大切です。
低速を抜けたブレイク後が最難関。捌き辛い交互押しが続きます。リズムを狂わされないように。
様々な要素が入っているため、プレイするたびに楽しみのポイントが増える譜面と言えます。
◆命の種火
onoken氏は作風の幅広さも特筆すべき点でしょう。様々なジャンルのBMSに命を宿しました。
哀愁漂うピアノの旋律が印象深いエモーショナルなバラード『十六夜月』
オリジナル曲「K8107」と、あの「PARANOiA」のコラボレーション楽曲『P8107』
何がどうしてこうなった!?なアキバ系のキュートなポップス『Love☆Love☆Christmas』
BMS制作からは引退しましたが、活躍のフィールドは大きく広げ続けている氏。
今後の楽曲からも目が離せません。
(執筆:2012年10月13日)
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