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13. 4.28>vol.11『Planet Pulsation』を執筆しました。
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- BMS COLUMN - |
vol.11『Planet Pulsation』
Music&Movie:syatten(Planetoid.biz)
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◆胸の中で
すべては、成るべくして成ったのだろう。
広大で膨張し続ける世界で、惑星という子が生まれ、生物という孫が芽生え、育まれていく時間。
すべてに、生まれた意味があるのだろう。
回り、巡り、輝き、陰る。繰り返される毎日を見守っている、柔らかく暖かな微笑みがあるから。
宇宙という名の母の腕に抱かれて、「ぼくら」は今日も生き続ける。
◆宇宙BMS第3弾
『Planet Pulsation』は、syatten氏が2005年に公開した作品です。
氏は宇宙をモチーフにしたトランスBMSを多く制作しており、本作はシリーズ3作目にあたります。
ドラマティックな展開が胸に強く響く、トランスBMSの傑作のひとつです。
◆今を生きるすべてのモノへ
本作のタイトルを日本語訳すると、「惑星の鼓動」となります。
科学的な観点から言えば、惑星は無機物の集合体であり、自我も持たない存在です。
しかし、「惑星が、ひいては宇宙が生命であったならば」というifのもとに本作は制作されています。
この前提となるテーマの時点で、ドラマ性を強くアピールしていることがわかるでしょう。
また、楽曲においても「生命」を感じさせる工夫が随所に凝らされています。
深いリバーブの効いたバスドラムは、タイトル通りの鼓動を思わせる、重く力強い響きが特徴的。
ほぼ全編にわたる荘厳で重厚なクワイアは、自らの存在を他に示す息吹を思わせます。
最も印象的なブレイクでのボイスは、この世界のすべてを見守る、母なる宇宙の言葉でしょうか。
2分間という制限された時間の中で、王道ながら巧みな展開により大きな高揚感を得られる本作。
音色の工夫という「生命」を吹き込まれることによる相乗効果で、その感覚はさらに高まるのです。
慈悲深い母性を感じさせる宇宙の下で、生命を与えられた本作。
楽曲を通して、生きとし生けるものに、生きる力を与えてくれる作品です。
◆母の視点
BMSと同じく、BGAもsyatten氏によるもの。宇宙の映像が主となる、テーマに則したBGAです。
惑星はもちろんのこと、星雲、オーロラ、人工衛星など惚れ惚れするような映像美の応酬は圧巻。
タイポグラフィーのスイッチもピタリとハマっており、音楽と映像の一体感が味わえます。
◆アルペジオの調べ
譜面は7K(☆5・7)、10K(☆7)、14K(☆9)の4つ。それぞれ☆1〜2は上と見ていいでしょう。
キックとハイハットの刻みに、シンセのフレーズを交えるというオーソドックスな譜面です。
終盤はシンセのアルペジオが主な演奏パートになります。判定は甘いので丁寧に拾いたいところ。
DPの2譜面はいずれも混合フレーズが多く、特に14Kはさばき辛い配置。運指がモノを言います。
◆幼女のいる生活とは
氏は、本作をはじめとしたトランスを中心に、多種多様なBMSで一時代を築きました。
印象的なフレーズと叩きがいのある譜面のシンクロがたまらないトランス『beyond the limit』
氏の集大成的作品であると同時に、トランスBMSのひとつの到達点『Evangelize (Radio Edit)』
チョッパーベースと温かなピアノが織りなすハウス『waterlife』……feat. L?なんのことです?
『Bird Sprite -D.K.R. mix-』をきっかけに生まれたツナマヨP名義での活動も盛んな氏。
ゲーム、クラブ、CDなど様々な場所で見せる雄姿に、さらなる活躍を期待せずにはいられません。
(執筆:2013年4月28日)
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